機関誌『水の文化』68号
みずみずしい果実

水の文化書誌58
全国の里川を歩いてみよう!

古賀 邦雄

古賀河川図書館長
水・河川・湖沼関係文献研究会
古賀 邦雄(こが くにお)

1967年西南学院大学卒業。水資源開発公団(現・独立行政法人水資源機構)に入社。30年間にわたり水・河川・湖沼関係文献を収集。2001年退職し現在、日本河川協会、ふくおかの川と水の会に所属。2008年5月に収集した書籍を所蔵する「古賀河川図書館」を開設。
平成26年公益社団法人日本河川協会の河川功労者表彰を受賞。

日本の川はいくつ流れているのだろう

わが国には、どのくらいの数の川が流れているのだろうか。日外アソシエーツ編・発行『河川大事典』(1991)には石狩川を始めとして約2万6000の河川が収録され、一級河川、二級河川、準用河川のくわしいデータを網羅している。河川の通称、別称、古称、河川等級、上流端、下流端、併合、合流先と合流点、流出先と流出地点、水源地、河川延長、流域面積、所属水系が記載されている。

日本の河川の特徴については、きわめて多数の群小河川がひしめきあっており、急流が多く、洪水時には川の規模が小さいにもかかわらず、大量の洪水流量が発生する。氾濫原に人口と資産が集中しているため、たびたび水害が生じる。また、これらの川の特性から、出水がない時期には穏やかな河川となり、人々の生活や憩いの場となっている。

多くの河川はその地域で暮らす人々にとってなくてはならない川であり、里川でもある。

里川のすすめ

鳥越晧之編『里川の可能性―利水・治水・守水を共有する』(新曜社・2006)では、「日本列島の地図を広げてみると、川がまるで灌木の枝のように細かく分かれながら国土を流れているのがわかる。それが日本列島における特徴である。実際はさらに、この細かな枝が毛細血管のように分かれておりどの地域に住んでいても、近くに毛細血管にあたる複数の川や水路に出くわすことになる。私たちが里川と呼ぶ川は、この細かな枝や毛細血管のうち、身近に利用している水域を意味している」と、里川を捉えている。

里を縫って流れ下る川を里川と言ってもよい。地域において日常の生活で利用されている川、愛されている川、生物の豊かな川、環境保全がなされている川。その里川を北から南へ追ってみる。

鳥越晧之編『里川の可能性―利水・治水・守水を共有する』

鳥越晧之編『里川の可能性―利水・治水・守水を共有する』

北海道の里川

北海道といえば、やはり石狩川が代表的な川であろう。堀淳一著『わたしの北の川』(北海道新聞社・1994)、豊田實大著『あさひかわの川』(旭川振興公社・2000)。札幌市教育委員会編『豊平川(さっぽろ文庫4)』(北海道新聞社・1978)、北海道開発局網走開発建設部編・発行『網走川の生物』(1982)、濱田良平著『北海道静内川』(光村印刷・1994)、函館・松倉川を考える会編『清流 松倉川』(幻洋社・1997)、佐藤尚著『釧路川紀行』(釧路市・1977)、石狩川開発建設部編・発行『Let'sGO 千歳川』(2007)

石城謙吉著『小川の増自然―幌内川での試み』(新潟の水辺を考える会・1994)、漁川保護少年団・製作『漁川物語』(恵庭市立恵み野小学校・1993)、千葉章仁・文『十勝ふるさと紀行5―利別川・浦幌川』(帯広信用金庫・1998)、同『十勝ふるさと紀行4―広尾の川』(同・1997)、同『十勝ふるさと紀行1―十勝川左岸域』(同・1994)

漁川保護少年団・製作『漁川物語』

漁川保護少年団・製作『漁川物語』

東北地方の里川

青森県を歩くと、どこにでも岩木山がついてくる。そして岩木川が一体となって流れる。青森工事事務所編・発行『岩木川へ行ってみよう(生物ガイドブック)(2001)、川嶋亮太・絵/国香よう子・文『馬渕川のたび』(熊谷印刷出版部・1984)、二科会写真部秋田支部編・発行『秋田の川―美しき・いのち育むふる里の流れ(雄物川・子吉川・米代川・奈曽川・鳥越川)(1996)、酒田工事事務所編・発行『庄内水紀行』(1993)、子吉川市民会議編・発行『みんなでふれあえる子吉川をめざして』(2002)、高野喜代一著『子吉川風土誌』(秋田文化出版社・1977)、同『続子吉川風土誌』(秋田文化出版社・1978)、宮腰喜久治・絵『母と子の絵本ものがたり―阿仁川のたび』(建設省森吉山ダム工事事務所・1995)

江刺節子・佐藤忠幸・江刺洋司共著『Sendai広瀬川ルネサンス―過去から未来への提言』(本の森・2005)、畠山直哉著『気仙川』(河出書房新社・2012)、吉田隆治編『夏井川流域紀行』(いわき地域学会出版部・1989)、同『鮫川流域紀行』(いわき地域学会出版部・1990)、同『藤原川流域紀行』(いわき地域学会出版部・1991)

只見川の風景は旅情をかきたててくれる。星賢孝・写真・文『奥会津・只見線 四季彩々』(歴史春秋出版・2019)、北日本印刷編・発行『只見川ライン旅物語』(1990)

  • 畠山直哉著『気仙川』

    畠山直哉著『気仙川』

  • 星賢孝・写真・文『奥会津・只見線 四季彩々』

    星賢孝・写真・文『奥会津・只見線 四季彩々』

関東地方の里川

利根川は、長野県、群馬県、栃木県、埼玉県、茨城県、千葉県、東京都を流れ下り、多くの里川を形成する河川の源と言える。利根牧水会編・発行『牧水利根の旅』(1965−66)、小林二三雄編『烏川の源流』(みやま文庫・1991)、思川の自然調査委員会編『都市の清流 思川を歩く―水面に映る自然たち』(小山市教育委員会・1994)、鈴木広義著『吾妻川』(吾妻新聞社・1985)、長谷川龍雄著『広瀬川流域史考』(伊勢崎郷土文化協会・1978)、小林寛治著『よみがえれ生きものたち―空堀川の水生生物』(けやき出版・2001)、飯野頼治著『埼玉の川を歩く―地図でたどる渓流・里川・用水』(さきたま出版会・2012)、斉藤裕也・藤田宏之共著『埼玉の里川 都幾川の生きものたち』(まつやま書房・2020)

いばらきの川紀行編集委員会編・発行『いばらきの川紀行―久慈川・那珂川・涸沼川・恋瀬川・桜川・小貝川・鬼怒川』(2005)、栗村芳實・東敏雄共著『久慈川・那珂川』(随想舎・2007)、多田貢著『那珂川物語―昔の面影を残す流域文化への誘い』(暁印書館・1988)、鈴木健著『恋瀬川物語―川の名を源流に遡る』(筑波書林・1994)、地引春次著・発行『私たちの養老川』(1987)、遠山あき著『養老川雑記』(崙書房・1992)、石川松五郎・写真『養老川―流れる自然詩』(千葉日報社・1993)、同『小湊鉄道と養老川―渓流と沿線のふるさと讃歌』(千葉日報社・2001)

江戸・東京の里川は、徳川家康が江戸を開いて以来、縦横無尽に開削されてきた。栗田彰著『江戸の川あるき』(青蛙房・1999)、森記念財団編・発行『古川物語』(1992)、坂田正次著・発行『曳舟川』(1973)、高梨輝憲著・発行『小名木川物語』(1987)、伊藤晃著『江戸川物語』(崙書房・1981)、松戸市立博物館編『江戸川の社会史』(同成社・2005)、流山市立博物館友の会編『江戸川読本―甦れ!ふるさとの川』(崙書房・1991)、同『東葛流山研究第12号―江戸川・歴史と暮らし』(崙書房・1993)、岩垣顕著『神田川遡上―総延長25.5キロ』(街と暮らし社・2006)、朝日新聞社会部編『神田川』(未来社・1982)、羽村市郷土博物館編『玉川上水散策』(羽村市教育委員会・1995)、福田恵一・文『玉川上水 武蔵野 ふしぎ散歩―狭山丘陵から新宿までの7コース』(農文協・2011)、桜井保秋・写真『玉川上水―水と緑と花の径』(桜井写真事務所・1995)、鍔山英次・写真/若林高子・文『写真譜 生きている野川』(創林社・1991)、同『生きている野川それから』(創林社・2001)、赤羽政亮著『野川・神田川・目黒川』(創林社・1994)、渡邊秀樹編『消えた川をたどる!東京ぶらり暗渠探検』(洋泉社・2010)、白子川汚濁対策協議会編『白子川を知っていますか―水辺再生に向けて』(保谷市総務部防災課・1994)、小林宏一著・発行『大栗川・乞田川―流域の水と文化』(2003)、近藤祐著『呑川のすべて―東京の忘れられた二級河川の物語』(彩流社・2019)

神奈川県の河川は、相模川を始め、鶴見川、酒匂川から里川を連ねている。神奈川県高校地理部会編『かながわの川(上)―帷子川・鶴見川・大岡川・境川・粕尾川・引地川』(神奈川新聞社・1990)、同『かながわの川(下)―相模川・金目川・酒匂川・早川』(神奈川新聞社・1990)

足柄の歴史再発見クラブ編・発行『新編 富士山と酒匂川』(2019)、川とみず文化研究会編・発行『横浜ふるさと和泉川』(1993)、神奈川県都市部編・発行『ぶらっと相模川―訪ねてみよう今むかし』(1992)、神奈川新聞社編・発行『相模川の魚たち』(1986)、久米準著『境川を歩こう』(230クラブ新聞社・1996)。鶴見川舟運復活プロジェクト編・発行『鶴見川に和舟を浮かべました!』(2011)

  • 石川松五郎・写真『小湊鉄道と養老川―渓流と沿線のふるさと讃歌』

    石川松五郎・写真『小湊鉄道と養老川―渓流と沿線のふるさと讃歌』

  • 近藤祐著『呑川のすべて―東京の忘れられた二級河川の物語』

    近藤祐著『呑川のすべて―東京の忘れられた二級河川の物語』

  • 足柄の歴史再発見クラブ編・発行『新編 富士山と酒匂川』

    足柄の歴史再発見クラブ編・発行『新編 富士山と酒匂川』

中部地方の里川

新潟県の三面川は、サケの自然孵化増殖に世界で初めて成功した川である。横川健著『三面川の鮭』(朝日新聞社・2005)、須藤和夫著『三面川サケ物語』(朔風社・1985)、磯部定治著『魚野川物語―人間の喜び、哀しみ』(野島出版・1985)、戸門秀雄著『川漁―越後魚野川の伝統漁と釣り』(農文協・2021)、阿賀に生きる製作委員会編・発行『阿賀野川の河道の変遷』(1990)、同『阿賀野川と新潟水俣病』(1992)、映画「阿賀に生きる」スタッフ編『焼いたサカナも泳ぎだす―映画「阿賀に生きる」製作記録』(記録社・1992)

中川達・島原義三郎共編『鼬川の記憶―富山市を貫流する川』(桂書房・2004)、千保川を語る会編『千保川の記憶―高岡市を流れる』(桂書房・2009)、中島博昭著『犀川 川筋ものがたり』(ほおずき書籍・2010)、北國新聞社編集局編『おとこ川おんな川―犀川・浅野川』(時鐘舎・2006)、ギンザカメラグループ・写真『甲斐のふるさと 笛吹川』(山梨日日新聞社・1971)、安田武義著『笛吹川紀行』(山梨日日新聞社出版局・1995)、田中欣一編『水よ語れ―日本百名水・姫川源流』(銀河書房・1989)、市川健夫・文『梓・犀川・姫川』(信濃路・1974)、オフィスP&P著『千曲川ものがたり』(郷土出販社・1992)、神通川むかし歩き編集委員会編『神通川むかし歩き』(桂書房・2016)、岐阜県揖斐川町編・発行『いびがわ』(1983)。湿地帯が広がる西美濃地方は伏流水が湧き出し、イトヨが棲息する。森誠一著『トゲウオのいる川―淡水の生態系を守る』(中央公論社・1997)がある。

富士山の雪が、柿田川で湧出する。関野真紀子著『柿田川―湧水の神秘と川の今昔』(関野景子・1993)、漆畑信昭著『柿田川の自然 泉の生物たち』(柿田川自然保護の会・1986)、同『柿田川の自然』(そしえて・1991)

>

静岡新聞社編・発行『新狩野川紀行』(1996)、広正義編『矢作川の自然』(名古屋女学院短期大学生活科学研究所・1963)、三津井宏・池田芳雄共編『矢作川の自然を歩く』(風媒社・1993)、木下恒雄著・発行『気田川ものがたり―天竜川水系』(1986)、小林元著『香流川物語』(愛知県郷土資料刊行会・1977)

堀川は人工の川であるが、名古屋に貴重な水辺をつくり出している。中日新聞本社社会部編『堀川物語―名古屋城とともに四百年』(中日新聞本社・1986)、森哲郎著『堀川を清流にしよう!堀川まんが図鑑』(鳥影社・2000)、末吉順治著『堀川沿革誌―名古屋開府四百年』(愛知県郷土資料刊行会・2000)

合瀬川の清流を取りもどす会編・発行『合瀬川』(1991)、「穂積の川を訪ねてみよう」編集委員会編『穂積の川を訪ねてみよう』(穂積町教育委員会・2000)、田口茂男著『サツキマスのいた川―長良川の記録』(草土文化・1991)

  • 中川達・島原義三郎共編『鼬川の記憶―富山市を貫流する川』

    中川達・島原義三郎共編『鼬川の記憶―富山市を貫流する川』

  • 関野真紀子著『柿田川―湧水の神秘と川の今昔』

    関野真紀子著『柿田川―湧水の神秘と川の今昔』

  • 末吉順治著『堀川沿革誌―名古屋開府四百年』

    末吉順治著『堀川沿革誌―名古屋開府四百年』

近畿地方の里川

近畿地方の里川もまた、自然が豊富な銚子川、伊川、五十鈴川、湊川、真野川などがある。宇江敏勝著『熊野川―伐り・筏師・船師・材木商』(新宿書房・2007)、内山りゅう著『青の川―奇跡の清流・銚子川(写真集)(山と渓谷社・2018)、田中利美著『武庫川紀行―流域の近・現代模様』(神戸新聞総合出版センター・2010)、法西浩著『武庫川 生きものウォッチング』(2016)、ビジュアルブックス編集委員会編『ふるさとの川紀行―明石川・加古川・六甲山水系』(神戸新聞総合出版センター・2009)、柳澤忠著『加古川の流れ』(建設省姫路工事事務所・1980)、同『船場川の流れ』(柳澤忠・1982)、高井薫著『揖保川―矢田川を歩く―神々に誘われ瀬戸内海から日本海まで』(吉備人出版・2004)、伊川流域研究会編・発行『伊川―自然と人とのかかわり 流域6万人のバイオリージョン』(2012)、島田謹介著『五十鈴川(写真集)(広済堂出版・1969)

吉村仙二郎・写真/瀬川欣一・文『琵琶湖源流 野洲川紀行』(サンライズ印刷出版部・1996)、登尾明彦著『湊川を、歩く』(みずのわ出版・2001)、藤岡正著『大和川水紀行―流域から水を考える』(遊絲社・2004)、「わたしたちの大和川」研究会編・発行『わたしたちの大和川』(1999)、河川生態学研究会木津川研究グループ監修『木津川であそぼう!まなぼう!』(リバーフロント整備センター・2010)、長谷正紀編『紀の川散歩27コース』(山川出版社・2002)、カワセミ自然の会編・発行『真野川自然探検』(1998)、山根猛著『琵琶湖の漁業いま・むかし』(サンライズ出版・2017)、照井四郎著『紀の国の川』(アイピーシー・1992)

御勢久右衛門編著『大和吉野川の自然学』(トンボ出版・2002)、野生生物を調査研究する会編・発行『生きている大和川』(2005)、同『生きている猪名川』(1999)、同『生きている由良川』(2010)、亀岡市文化資料館編・発行『大堰川の歴史』(1987)、浅野喜市著『四季 京の川(写真集)(京都書院・1987)、京都滋賀自然観察会著『糺の森/鴨川』(京都新聞社・1994)、横山健蔵著『京都 鴨川(写真集)(光村推古書院・1997)、鈴木康久・西野由紀共編『京都鴨川探訪―絵図でよみとく文化と景観』(人文書院・2011)、同『京都宇治川探訪』(人文書院・2007)

  • 伊川流域研究会編・発行『伊川―自然と人とのかかわり 流域6万人のバイオリージョン』

    伊川流域研究会編・発行『伊川―自然と人とのかかわり 流域6万人のバイオリージョン』

  • カワセミ自然の会編・発行『真野川自然探検』

    カワセミ自然の会編・発行『真野川自然探検』

中国地方の里川

中国地方の里川は、地域住民に愛されている袋川、高津川、錦川、厚東川、藍場川などがある。倉安川研究会編・発行『倉安川の歴史』(2009)、田中貢著『袋川』(鳥取市教育福祉振興会・1976)、永田滋史編『神戸川探訪』(出雲市教育委員会・1997)、澄川喜一著『高津川と錦川』(形文社・1999)、山田長爾著『錦川志』(岩国徴古館・1973)、平生町教育委員会編『天井川を流れる川―おおうちがわ』(山口県土木建築部河川課・不明)、迫田明著・発行『防長源流行1 長門源流行(上)』(1993)、下野岩太著・発行『太田川ものがたり』(1974)、太田川・福祉の川づくり交流会編・発行『みんなで太田川を歩こう―上流から下流まで』(1999)

吉沢利忠・文『旭川』(山陽新聞社・1996)、岡山県小学校教育研究会社会科部会編『おかやまの川旭川』(岡山河川工事事務所・1982)、同『おかやまの川吉井川』(同)、同『おかやまの川高梁川』(同)、なんばみちこ・詩/宮本邦男・写真『高梁川流域の四季』(山陽新聞社・1996)、宇部地方研究会編・発行『厚東川の果たした役割―水とわたしたち』(2002)、石塚尊俊著『大梶七兵衛と高瀬川』(出雲市教育委員会・1987)、島根大学「斐伊川百科」編集委員会編『斐伊川百科』(今井書店・2015)、一畑グループ鉄道編・発行『みんなの宍道湖』(2002)、成瀬敏郎ほか編『出雲の山・川・平野・海岸』(高浜印刷・2014)、萩市郷土博物館編・発行『藍場川のむかしといま』(1999)、双三教育研究所へき地部会編『江の川』(安宗印刷・1980)

宇部地方研究会編・発行『厚東川の果たした役割―水とわたしたち』

宇部地方研究会編・発行『厚東川の果たした役割―水とわたしたち』

四国地方の里川

四国四県を貫流する吉野川が流れ、特徴のある那賀川、土器川、重信川、肱川の各河川は自然の残る里川として人々に安らぎを与えてくれる。三好和義著『ぼくのふるさと 阿波吉野川(写真集)(小学館・1998)、岩佐敏雄著『那賀川への想い』(徳島県土地改良事業団体連合会・1993)、名水百選の江川編集委員会編『名水百選の江川』(鴨島町教育委員会・1980)、細川内ダム工事事務所編・発行『ぐらふ那賀川―人と、くらしと、阿波の八郎』(1990)、同『ぐらふ那賀川(Ⅱ)―歴史、文化、阿波の八郎』(1992)、同『ぐらふ那賀川(Ⅲ)―この人、この技、阿波の八郎』(1995)、建設省香川工事事務所編・発行『われら土器川探検隊』(1994)、峠の会編・発行『讃岐の水車』(1988)、大矢忠安著・発行『財田川水系の水車』(1981)

愛媛県立博物館編・発行『重信川周辺の泉とその生物』(1994)、同『重信川周辺の泉とその生物Ⅱ』(1995)、藤島弘純編『重信川の自然』(創風社出版・2001)、重信川の自然をはぐくむ会編『思い出は重信川とともに』(松山河川国道事務所・2004)、中村英利子編『肱川紀行』(アトラス出版・1999)、有友正本編著『肱川』(アットワークス・2009)、名越利幸監修『肱川あらし』(愛媛県大洲市・2015)、河野達郎写真・文『ひじかわの詩―大洲風景賛歌』(おおず街なか再生館・2016)、三好五良著・発行『川ありて 橋ありて 私の鏡川(写真集)(1992)、高知県環境アセスメント研究会編『かがみがわ市民読本』(西日本科学技術研究所・1986)、高橋宣之著『土佐・仁淀川の四季 美しい川写真集』(小学館・1996)、高知県内水面漁業協同組合連合会編・発行『土佐の川 中東部編』(1991)、同『土佐の川 西部編』(1992)、吉野川渡し研究会編・発行『吉野川渡し場周辺の石造物ガイドブック』(2012)

  • 建設省香川工事事務所編・発行『われら土器川探検隊』

    建設省香川工事事務所編・発行『われら土器川探検隊』

  • 名越利幸監修『肱川あらし』

    名越利幸監修『肱川あらし』

九州・沖縄地方の里川

北九州市、福岡市内を流れる河川は二級河川が多く、里川として、市民の憩いの場を形成する。橋本昭雄著『紫川にアユ戻る―紫川汚濁史研究』(紫川にアユを呼び戻す会・1988)、紫川を愛する会20周年記念誌編集委員会編・発行『紫川を愛する会―20周年記念誌』(2009)、福岡県立北九州高等学校 魚部編・発行『紫川大図鑑』(2011)、倉掛晴美著『サケよふるさとの川へ(遠賀川へ)(石風社・2003)、副田翠峰著『樋井川の四季』(里文庫・1982)。柴田正美著『室見川』(西日本新聞社・2002)

次の河川は、筑後川に流れ込む。小川喬義著・発行『久留米市ふるさとの川―高良川・筒川・池町川』(2006)、古賀信夫編『ひとつの川から見えるもの―高良川流域から』(久留米の自然を守る会・2008)、佐藤悦子著『ふるさとの川 城原川―ダムに拠らない治水を探る』(書肆草茫々・2007)、佐賀県土木部編・発行『田手川の生態系調査と多自然型工法』(1993)

長崎の里川として、ふるさと自然の会編・発行『させぼの川―相浦川・佐世保川・日宇川』(2003)、佐々川自然環境研究会編『佐々川―歴史・自然・風物』(長崎県佐々町・1999)、片寄俊秀・村田明久編著『長崎・中島川と石橋群』(観光資源保護財団・1977)、中島川復興委員会・日本リアリズム写真集団長崎支部編・発行『写真集 長崎の母なる川―中島川と石橋群』(1983)がある。

くまもと元気実行委員会編・発行『坪井川武蔵DUCK RACE』(2003)、川辺川工事事務所編・発行『川辺川の四季』(1983)、寺田義久著『清流水俣川―治水・利水・親水がともにある世界』(農文協プロダクション・2019)、宮崎県北川町教育委員会編・発行『清流北川・祝子川を守ろう』(1993)、宮崎県土木部河川課編・発行『もっと知りたい!広渡川 酒谷川』(2002)、栄喜久元著『かごしま・川紀行』(春苑堂出版・1994)、久本勝紘編著『メダカの棲める甲突川に―メダカの学校かごしま30年史』(メダカの学校かごしま・2020)、下堂園純治・写真『甲突川の詩』(南洲出版・1995)、鹿児島県立博物館編・発行『別府川の自然』(1994)、建設省大隅工事事務所編・発行『肝属川と仲間たち』(1999)、新満益雄著・発行『肝属川の思い出』(2003)、川原園井堰映像記録製作委員会編・発行『柴井堰と生きる』(2017)、鹿児島大学生物多様性研究会編『奄美群島の水生生物―山から海へ』(南方新社・2019)

沖縄の里川を挙げてみる。幸地良仁著『おきなわの川―比謝川・数久田川・源河川・平南川など』(むぎ社・1992)、同『沖縄の川魚―トーイユからリュウキュウアユまで』(沖縄出版・1991)、諸喜田茂充・池原貞雄編著『琉球の清流―リュウキュウアユがすめる川を未来へ』(沖縄出版・1994)、沖縄の水研究会編・発行『おきなわの水ものがたり』(1991)。それぞれ南国的な魚が棲める川である。

  • 佐藤悦子著『ふるさとの川 城原川―ダムに拠らない治水を探る』

    佐藤悦子著『ふるさとの川 城原川―ダムに拠らない治水を探る』

  • 諸喜田茂充・池原貞雄編著『琉球の清流―リュウキュウアユがすめる川を未来へ』

    諸喜田茂充・池原貞雄編著『琉球の清流―リュウキュウアユがすめる川を未来へ』

おわりに

以上、全国の里川について、200ほど挙げてきた。最後に、大穂耕一郎著『春の小川でフナを釣る―田んぼと用水路と魚たちの今』(まつやま書房・2001)を掲げる。この表紙には、まだ都市化が進んでいない田園にそのなかの一筋の小さな川で長靴の人が、フナを釣り上げた姿が描かれている。田んぼと用水路と川がつながっており、田の溝には小ブナが群れをなす、典型的な里川の風景である。

全国的に里川という名の川が、茨城県久慈郡、三重県熊野市、滋賀県甲賀郡、京都府綴喜郡、和歌山県西牟婁郡、愛媛県西宇和郡、佐賀県伊万里市、長崎県北松浦郡に8つ流れている。里川は至るところに流れている。山頭火のように歩きたくなってきた。

〈あの水この水の天龍となる水音〉(種田山頭火)

大穂耕一郎著『春の小川でフナを釣る―田んぼと用水路と魚たちの今』

大穂耕一郎著『春の小川でフナを釣る―田んぼと用水路と魚たちの今』

PDF版ダウンロード



この記事のキーワード

    機関誌 『水の文化』 68号,水の文化書誌,古賀 邦雄,水と自然,川,里川

関連する記事はこちら

ページトップへ