機関誌『水の文化』39号
小水力の底力

『水の文化』39号
小水力の底力

水の文化 39号 小水力の底力
2011年11月

水は清らかに流れているだけで価値があります。
しかし、流れる水はエネルギーをも秘めています。
水力発電というと大規模ダムを思い浮かべますが、ダムをつくらず、環境を大きく変えないで少量の水力で発電する方法が小水力発電です。

一方、自然エネルギーの観点から見たら、水力は、太陽光や風力同様、再生可能なエネルギー。
CO2の排出もなく、環境に優しいエネルギーで、困った廃棄物も出しません。
こうした利点を挙げていくと、大いに活用していきたいと思いますが、水利用のルールがあるため、誰もが簡単にできるというわけではありません。
水をいかに利用するかということに対し、新しい考え方を共有していかないと小水力発電を推進することはまだまだ、難しいのが実状なのです。

それでも、資源がないといわれる日本において、潤沢に恵まれた〈水〉を使わないというのは、いかにももったいないこと。
難しい課題に取り組みながら、小水力発電を推進するにはどうしたらいいか、真剣に考えることで、日本の未来のエネルギー問題に夢を描きたいと思います。

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電気の28.5%を自然エネルギーでまかなう高知県高岡郡梼原町は、2009年(平成21)に環境モデル都市の指定を受けている。

電気の28.5%を自然エネルギーでまかなう高知県高岡郡梼原町は、2009年(平成21)に環境モデル都市の指定を受けている。四万十川の支流 梼原川の付け替えで6.07mの落差をつくり、その流れを利用して54kW/hの発電をしている。
この電気は、昼間は梼原学園(町立の小中一貫教育校)に使われ、夜間は82基の街路灯の電源として利用されている。滔々と流れる水は、愛媛県境に連なる1000m級の山から発し、涸れることがない。

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