機関誌『水の文化』59号
釣りの美学――静寂と興奮の狭間で

『水の文化』59号
釣りの美学
―― 静寂と興奮の狭間で

水の文化 59号 釣りの美学
2018年 6月

古来、釣りは趣味として、またはスポーツとして親しまれてきた。例えば1653年に出版されたIzaak Waltonの "The Compleat Angler”(邦題『釣魚大全(ちょうぎょたいぜん)』)は哲学に始まり(釣りをする前に)、魚の種類、釣り方、さばき方、料理方法などまでを綴った「釣り人の聖書(バイブル)」と呼ばれる。かの開高健もこの書の愛読家であり、釣りをするときは〈そこにある静かなることを学べ(Study to be quiet)〉という言葉を一番大切にしていた。

日本でも1723年(享保8)に旗本の津軽采女(つがるうぬめ)が著したとされる『河羨録(かせんろく)』や江戸後期に黒田五柳が書いたとされる『釣客伝(ちょうかくでん)』において、釣りの心得や準備に始まり、やはり魚の種類と習性や釣り方、料理方法まで記されている。

このように、釣りは多くの釣り人によって、静寂と興奮の狭間で支持されてきた。それはなぜなのか。そして、魚を釣るという行為を通じて生まれる「水と人との関係性」についても考えてみたい。

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