水害、地震、火災、温暖化―現代都市にはさまざまなリスクが存在します。それらのリスクに高コストではありますが個別の政策で対応し、とりあえず安全で快適と思われる都市環境が実現されてきました。しかし、いつの間にか都市の安全が当たり前となり、個々人で都市をメンテナンスする努力が忘れられがちになっています。今求められるのは、多様な資源を身近に利用することで守っていく里としての都市ではないでしょうか。
都市において水はライフラインの一翼を担っていますが、都市水害等を引き起こすリスク要因でもあります。また同時に、消防水利・環境水利など、さまざまなリスクを緩和する資源ともなっています。多様な水利用を目指した水循環は、単なる都市の水環境整備を超えて、21世紀の里<都市>において安心して暮らすための基本コンセプトといえそうです。
そこで本フォーラムでは、リスク・安心・利用という3つのキーワードを軸に、健全な水循環をベースとした21世紀の里<都市>の姿と文化について、気鋭の論者に語っていただきました。