里山や里海だけではなく、暮らしとかかわるすべての水循環の経路を私たちのセンターでは「里川」と呼んでいます。いろいろな里川を発見しその価値を身近に感じたい! ということで、第1回の里川文化塾に選んだフィールドは府中用水(東京都)です。
くにたち郷土文化館学芸員
齊藤 友里加 さいとう ゆりか
江戸時代からの旧家をリフォームしたコミュニティスペース「やぼろじ」で意見交換。地図に観察内容や意見を記入し、「100年後の府中用水」について意見交換を行ないました。
「このままの姿で残ってほしい」というのが、参加者全員の意見。
しかし、一方では、「農業者が減って維持が不可能になるのでは?」、「企業が進出した土地では、用水が暗渠化している」「用水の用途を変えるのは簡単ではない」など、いくつもの意見が出されました。
府中用水を"使う"ことが、結果として府中用水を"守る"ことにつながるわけですが、立場によって異なる考えを、いかに調整していったらいいかという課題が残ります。里川の可能性とともに、実現への課題を実感する学びのときとなりました。