湯立(ゆだて)神事、水掛け祭り、船渡御(ふなとぎょ)に水ごり。
祭りと水には深いつながりがあるようです。
水は生命の源だから、神と関係が深いのは当たり前。
そんな風に理解してきましたが、果たして本当にそうなのか。
八万(やおよろず)の神というけれど、祖霊は神様なのか仏様なのか。
祭りの持つスピリチュアルな側面は、今の私たちにどう継承されているのか、いないのか。
日本人は祭り好きというけれど、ちゃんと考えてみると、実はわからないことだらけ。
まち起こしや異世代間交流や伝統文化の継承といった、現代における祭りの機能を語るにも、そもそも祭りとは何かがわからなくては話になりません。
そう考えて、私たちの暮らし方を見回せば、神様や仏様はずいぶんと遠ざかっているようにも思えます。
現代の私たちにとって、祭りとは何か。
古代の日本人の神意識まで遡って、もう一度見直してみました。
本番に向けて練習が続く射放弓(しゃほうきゅう)
〈お弓役〉に選ばれた2名の若者が、前年の〈お弓役〉から作法を伝承される。仕事の帰りに吉浜八幡社に集まり、肉体的にきつい動作を身につけていく。本番が近づくにつれ、焦りと緊張感が増していくのが、見ている側にもびりびりと伝わってくる練習風景。2010年〈お弓役〉の坂本和也さん(左)と弟の直敏さん(右)。