京都はなぜ1200年も続いてきたのか。
この謎に対する答えとして、「盆地の都市だから」と言ってしまうのは、少し無謀に見えるかもしれません。
しかし、京都を盆地に育まれた計画都市として眺めると、郊外に拡大していく平野のメガロポリスにはない空間感覚があるように感じられます。
それは水が巡ることを実感できる規模、私たちの身の丈に合った都市のイメージを与えてくれるからなのかもしれません。
京都は初めに計画ありきの都市でした。
地下には琵琶湖にも匹敵する巨大な地下水盆がある、そんなエピソードもまた、京都の都市としての資質を後押しするものに思えてきます。
盆地をうまく活用してきた都市・京都は、1200年後の現代もなお、持続可能な社会に求められる可能性を示唆してくれるのです。