原始、水の近くに炉をつくり屋根を掛けたものが「家」になりました。
トイレは屋外、風呂は沐浴か行水。
そんな暮らしのスタイルは、加圧水道が敷設されるまでほとんど変わることなく続いてきたのです。
水道の蛇口が流しの上にきたときから「家」における水の使われ方が激変しました。
竃の火がガスに置き換わったこともその変容を後押ししました。
それからわずか50年余「家」における、水にかかわるものは「水まわり」と総称されるようになっています。
ルーツを忘れ一緒くたになってしまった「水まわり」。
もう一度一つひとつの働き意味を思い起こすことで暮らしを豊かにするための水の周りの新しいスタイルが生み出せるかもしれません。
小金井市にある江戸東京博物館分館の「江戸東京たてもの園」7haの土地に30近くの歴史的な建物を移築し、復元、保存、展示している。