100年後の地球はどうなっているのでしょうか。
映画「不都合な真実」などを地球環境の悲観論と受け止める人もいますが、今は懐かしい「バラ色の未来」という響きに希望を託してみたい気もします。
私たちはこれから、未知のこと、予測不可能なことという、社会的合意が得られにくい事柄にも、取り組んでいかなくてはなりません。
それは、説得力のあるシナリオで描いた未来を自分の子供や孫の世代にバトンタッチしたいからです。
夢を現実に近づけるのが「科学技術」であるのなら、科学や技術に携わる側も、その結果を享受する私たちも予測の正確さを競うだけでなく、目指すべき社会像を明確にし、元気が出るシナリオを描く必要があります。
そのときに「循環型社会のモデル」とか「自然と人間が共生していた時代」といわれる江戸のシステムが、案外役に立つのかもしれません。
単なる懐古趣味ではなくバックキャスティングの視点で100年後をつくるための道具として「江戸シナリオ」を効果的に使う。
それは、水と豊かなかかわりあいの中で文化を育んできた「日本」が今、世界で果たせる役割なのではないでしょうか。
上の20世紀〜21世紀終盤の渇水頻度変化と洪水頻度変化は、1901〜2000までと2071〜2100を比較したもので、いずれも沖・鼎グループ資料(平林由希子博士製作)によるもの。 両図を重ねてみると、アマゾン周辺、インドシナ半島周辺、西アフリカ周辺などのように、渇水も洪水も増加して、水のマネジメントが、いよいよ難しくなる地域が見られる。