2022年 2月

日ごろ使っている水がどこからきてどう届くのか。それを知る人は少ないかもしれないが、水を起点に自らの地域を見つめると、それまで知らなかった新たな面が見えてくる。

熊本県は水道水源の約80％を地下水に依存しているという。環境省の「名水百選」に８カ所もの名水が選定されるなど、熊本県は地下水が豊かなことで知られる。県庁所在地・熊本市は生活用水のほぼ全量を地下水に頼っている。

ただし地下水は無尽蔵ではない。そこで熊本市を含む11市町村は、行政区域を超えて共同で地下水を守り育てる取り組みを進めている。

熊本の人びとはどのようにして水を守っているのか。そして、そうした人びとをつなぐ水とはどのような存在なのかを考えたい。

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70号特集「みんなでつなぐ水 火の国 水の国 熊本」取材エリア

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目次

• ひとしずく（巻頭エッセイ）
  水の妖精たち

  姜尚中

  

• 特集 みんなでつなぐ水　火の国 水の国 熊本

• 熊本の水利用
  地下水とともに生きる都市 熊本
  ──行政区域や立場を乗り越えて

  

• 地下水研究
  地下水の動きと質を明らかに
  ──熊本地域の地下水流動研究

   

  

• 他団体との連携
  豊かな地下水を子どもたちに
  ──未来のために枠を超えた連携

  

• 水と人を育てる
  みんながかかわる熊本地域の水システム
  ──次世代も連動する施策が進行中

  渡邉紹裕

  

• 地域の魅力発見
  高校生たちの動画チャレンジ
  ──身近な水を深く知るために

  

• 次世代育成
  ふるさとを誇りに思う子どもたち
  ──人びと巻き込む八代の市民団体

  

• 湧水のある暮らし
  阿蘇の湧水と人びとの暮らし
  ──地域の古層から探る水利用

  牧野厚史

  

• 阿蘇・南郷谷
  つくり直された配水システム
  ──湧水の大切さを未来に

  

• 阿蘇・阿蘇谷
  牧畜文化を伝える沢水の集落

  

• 文化をつくる
  「水の国」熊本に学ぶ
  変わるもの、変わらないもの

  編集部

  

• Column

• 水の余話
  龍と亀

  島谷幸宏

  

• 連載

• 水の文化書誌60
  文献にみる筑後川──文学・詩歌・歴史紀行

  古賀邦雄

  

• みず・ひと・まちの未来モデル3
  「公」の井戸の未来と「共」の空間の充実化

  野田岳仁

  

• 食の風土記16
  ハレの日に食卓を彩る「ワニ」料理

  

• Go! Go! 109水系21
  阿蘇カルデラの恵みとリスクのメッセンジャー 白川

  坂本貴啓

  

• センター活動報告
  編集後記／ご案内

  

• 敬称略