日ごろ使っている水がどこからきてどう届くのか。それを知る人は少ないかもしれないが、水を起点に自らの地域を見つめると、それまで知らなかった新たな面が見えてくる。
熊本県は水道水源の約80%を地下水に依存しているという。環境省の「名水百選」に8カ所もの名水が選定されるなど、熊本県は地下水が豊かなことで知られる。県庁所在地・熊本市は生活用水のほぼ全量を地下水に頼っている。
ただし地下水は無尽蔵ではない。そこで熊本市を含む11市町村は、行政区域を超えて共同で地下水を守り育てる取り組みを進めている。
熊本の人びとはどのようにして水を守っているのか。そして、そうした人びとをつなぐ水とはどのような存在なのかを考えたい。