2021年03月03日
陣内秀信 じんない ひでのぶ
海に囲われた日本には、各地に神輿を海に入れる海中渡御(とぎょ)が受け継がれている。小学生の頃、2年間住んだことのある神奈川県・茅ヶ崎の海岸で、神輿(みこし)が海に入る「浜降祭」を見て驚いたのを記憶している。そして、真鶴の「貴船祭り」では、この町に調査に通った陣内ゼミの学生達が、地元の男どもと一緒に神輿を担いで海に入ったのには、近くで見ているこちらも興奮を抑えられなかった。
2021年03月03日
適切なたとえではないかもしれないが、東川町は「重箱に入ったおせち料理」のような町だ。パッと見ただけでは何がどうすごいのかよくわからないが、いざ蓋を開けてみると、伊達巻、いくら、かまぼこといった色とりどりの料理(取り組み)がぎゅっと詰まっている。しかも重箱のごとく重層的に。
2021年03月03日
ここまでは東川町に住んでいる人たちに話を聞いてきた。では、周辺地域に住む人たちは、東川町をどのような目で見ているのだろうか。隣接する東神楽町(ひがしかぐらちょう)で生まれ育ち、今は旭川市にある一般社団法人大雪カムイミンタラDMOに勤める小原弘慎(おばらひろみつ)さんに、東川町のまちづくりやこの圏域における存在感などを語ってもらった。
2021年03月03日
岐阜県中津川市で143年続いた蔵元「三千櫻(みちざくら)酒造」が東川町に移転を決め話題となった。杜氏を兼ねる社長の山田耕司さんは「水や米、気温など環境が抜群」と東川町に惚れ込み、職人全員で移住を決断。いよいよ日本酒の仕込みが始まるタイミングに立ち会った。
2021年03月03日
滝沢 智
たきざわ さとし
東京大学大学院 工学系研究科 教授
全町民が地下水で暮らす東川町は、「上水道のない町」を標榜している。一般的な上水道を「集中管理型」の水供給システムとするならば、各戸が電気ポンプなどで地下水を汲み上げて...
2021年03月03日
松岡市郎
まつおか いちろう
東川町長
東川町は、町内で生まれた赤ちゃんが生後100日を過ぎると、町内の家具職人による手づくりの椅子をプレゼントする「君の椅子」事業、小学校を移転・新築する際に敷地内に水田を1haつくり、農業体験としてコンバインに小学生を乗せるなど、よそではあまり聞いたことがない事業を多数行なっている。「合併せず自立する道を選んだからには、新しいことに挑戦しなければ」と言う町長の松岡市郎さんに話を聞いた。
2021年03月03日
東川町は稲作が盛んだ。一級河川・石狩川水系の忠別川と倉沼川が流れるなど水利に恵まれ、また泥炭地がない肥沃な土壌でもある。ミネラル豊富な大雪山連峰の雪解け水は冷たいが、要所に設けた遊水地で温めてから水田に引く。東川町農業協同組合のキャッチコピーは「みずとくらす®」。耕作放棄地がないという農業施策を探る。
2021年03月03日
東川町はイベントが多い。2019年以前は、春から夏にかけて毎週のように町のどこかでイベントが開かれた。町民自ら企画したものも少なくない。講師の交通宿泊費、謝礼などに使える補助金(上限100万円)が利用できることも後押しする。自身もイベントを手がける東川町東川スタイル課の菊地伸さんに話を聞いた。
2021年03月03日
東川町の商業は、旭川市に隣接した都市近郊型として、家族経営を主とした小規模店が多い。東川町で生まれ育ち、家業を継いで商売を営む人たちは今の状況をどのように考えているのか。1986年(昭和61)の木彫看板設置事業を端緒に「木彫看板すとりーと」をつくってきた商工会の先輩と現役の青年部員に話を聞いた。
2021年03月03日
2005年(平成17)3月、景観法に基づく景観行政団体となった東川町は、景観や環境に配慮した「東川風住宅」の建築を奨励している。自然景観と田畑や住宅などの文化景観を守り育てるため、「東川風住宅設計指針」を設定し、新築、建て替え、庭づくりでの活用を促している。また、2020年に実施した移住体験には定員を上回る応募があったという。東川町の住まいと移住促進策とは?